司法書士が相続登記をする意味

 先日、広島県相続診断士会様より当事務所の所長が講師の依頼を受け、「司法書士が相続登記をする意味」についてお話をさせていただきました。ご参加いただいた方々、ありがとうございます。
 おそらく、登記の本当の意味を知っている人は、司法書士を除いてほとんどいないと思います。士業の中でも登記の本当の意味を理解されている人は少ないと思います。登記がされていればその登記の名義人が不動産の所有者だと誤解している人が多いのではないでしょうか。所有権の移転登記をするときには、必ず移転原因が存在します。例えば、売買、相続などと。ということは、所有権が移転する原因である売買や相続(遺産分割協議や遺言)などに不備がある場合は、所有権が完全に移っていない可能性があるということです。名義が変わっているのに所有者ではない。恐ろしいですね。
 司法書士が相続登記をする場面に立ち会う意味は大きく分けて3つあると思います。①1つ目は、所有権が完全に移ったことを担保するためにあるのではないでしょうか。例えば遺産分割協議や遺言を有効なものにするために。当事者だけで手続きをするのと専門家である第三者が立ち会ってなされた手続きではどちらが証明力が強いでしょうか?
 ②2つ目は、間違った(争いの元になる)手続きをさせないことだと思います。例えば不動産を無意味に共有にしてしまったり、二次相続を考慮していない手続きです。一度なされてしまった手続きを元に戻すのがいかに大変なのかは実務を経験した司法書士ならお分かりかと思います。
 ③3つ目は、煩雑な手続きの代行という側面です。当事務所では実はここにあまり重きを置いていないのです。というのは、①②の理由こそが司法書士が相続登記をする最大の意味だと思っているからです。したがって、相続登記は司法書士に頼まなければいけないという結論になるのではないでしょうか。